ブロックチェーンの教室 1話 お金とは何か

お金。お金は世界を回すもの。諸悪の根源?あなたの周りの全てを統べるもの?あなた自身に問いかけて見ていただきたい。あなたはお金というものをどれくらい理解しているだろうか?

 

おそらく、実はあなたはあなた自身が思っているほどお金のことを知らないかもしれない。あなたが本来知っているべき程は知らないかもしれない。もし暗号通貨を使って様々な支払いをして見たいのであれば、ぜひこのブログを読んでいただきたいと思います。

 

お金に関しての理解を深めるために、そもそもお金というのもが発明される以前にまで遡って見ようと思う。

 

青銅器時代まで遡る。青銅器時代とは、紀元前3000年から1000年の頃のこと。このころはお金なしで社会が完璧に機能していた時代だ。物々交換によって世の中が回っていたのだ。

 

この期間の間は物々交換のみで、世の中が回っていた。例えば私が二匹の猫を飼っていたとする。そして私がほしいのは三頭の羊。羊のオーナーが猫も欲しがっていて、猫1匹が羊1.5頭分の価値であったとすれば、取引が成立する。

 

しかし、もしもあなたが一匹しか猫を持っていなかったらどうなるだろう?一匹の猫は、羊1.5頭だけれども、半分の羊をもらうというわけにはいかない。ただ、あなたも猫一匹を羊一頭だけとの交換で我慢するというのも納得がいかないだろう。

 

もしくは羊のオーナーが猫を欲しくなかったら、この物々交換取引は成立しない。これはこの物々交換経済システムの大きな問題ではないだろうか。

 

お金はこのような状況の解決策として登場した。 物々交換経済を生きた人たちにとって、お金の発明はとても良いことであった。

 

1つ目の理由は、価値を保存することができるようになったことだ。羊と違って、お金は老いたり、死んでしまうということがない。

 

2つ目はお金は全ての人に受け入れられる物と物の交換の橋渡し役(交換の媒介)となったためである。全ての人が一目で理解できる価値がお金にはあった。例えば、猫や羊の価値は使徒によって様々であるが、500円玉の価値は誰にとっても平等に500円の価値だと認識できる。

 

3つ目に、お金は代替可能(ファンジブル)であったことがあげられる。私の持っている健康な若い羊と、あなたが持っている年老いた羊を同じ価値だとすることはできないだろう。しかし私の持っている1000円札とあなたが持っている1000円札の価値は等しい。(これを代替可能であるという)。

 

4つ目にお金が分割可能という点も非常に便利だった。猫は一匹を半分にすることができないが、1000円札を2枚の500円玉に分割したり、10枚の100円玉に分割することができる。

 

そして最後にお金は有限であるという点が優れていた。例えば私がお金がほしい時に好きなように新しいお金を印刷することはできない。羊は交配してある程度思い通りに増やすことができただろうけど、お金はそうはいかない。無限に羊を生産しすぎて余分な羊で溢れかえってしまう、ということがなくなった。つまり供給の量を調整することができたのだ。

 

中国は世界でいちばん最初に現在の形に近いお金を導入した国だ。紀元前770年頃、彼らは道具や武器などを、銅で取引していた。もともと銅の形がいびつであったこともあって、その後すぐに円型の硬化が導入されるようになる。中国は単にお金を初めて導入しただけでなく、紀元前700年ごろには金属硬化から紙幣にシフトした。

 

有名な冒険家であるマルコポーロが1271年に中国を訪れた時には、すでに中国皇帝が、お金の供給量をうまくコントロールしていたという。そして紙幣にはこう書かれていた。『お金の偽造は斬首刑に処する』と。

 

しかし、そうだとすると、どのようにして、私の目の前にあるお金は本物のお金であるといすることができるだろうか?またお金の偽造はどれくらい難しいのだろうか?このことに関してはあとで詳しく説明しよう。

 

まずはどのようなものがお金になりうるのかを考えていこう。

 

まず、何かしらの日用物がお金になるということがありうる。ある大昔の社会は塩や貝殻をお金にしようとした。ただ塩や貝殻を数えるというのは金額が莫大であったらかなり難しいし、実質的に限界がある。

 

鶏や牛、羊などもお金になりえた。しかしこれらはポケットに入れて簡単に持ち運びすることはできないだろう。

 

そこで代表貨幣というものが生まれたのだ。元々は医師に書かれていた、誰が誰にこれをもらったとか、そういうことを石に刻み込んで記録していた

代表貨幣のメインは金だ。

 

なぜ金は非常に長い間、究極で健全なお金とされているただろうか?それは長年に渡って、見つけるのが困難で、増やすことができず、割って分割することができるし、売りやすいからである。しかしそうは言っても金は完璧なお金とは言えない。重たいし、持ち運ぶのには向いていない、保管するには強固なセキュリティを必要とする。莫大な量の金には、金庫室や貯蔵庫などの設備が必要だ。また、もし、シンガポールの貯蔵庫からロンドンの商人にお金を払うとなると大変だ。

それから、金の埋蔵量の多い国はパプアニューギニアという非常に小さい国であるが、この国は歴史的にもっとも政治腐敗した国である。金の埋蔵という産業は、非常に中央集権的で、政治腐敗しやすい。金が理想のお金とは言えないのではないだろうか。

 

もちろん金の時代にも便利な点はあった。強固な中央銀行を作り、10ドル分の紙幣を銀行に渡せば10ドル分の金にすぐに引き換えてもらえる。金本位制だ。

そんな時代が1930年、アメリカとイギリスが、庫の金本位制を廃止するまで続いた。正確にはアメリカ人は金を好んだため、1973年にニクソン大統領が金と通貨の交換を停止するまで続いたのだが。それからは、世界中でドルやポンドと言った、不換紙幣が主流となった。

 

不換紙幣の価値は信用に基づいている。不換紙幣は政府が価値があると言っているからそれに価値がある。そしてそれを人々が信じているから価値がある。お金には希少であるという特性が必要であるのだが、この不換紙幣というお金は政府によって基本的に希少すぎないよう程よく希少にに発行されており、また簡単に誰もが好き放題作ることはできない。希少性において優れている。

 

我々は金本位制以降は政府主導でこんな感じで不換紙幣を使っているのだ。不換紙幣には問題点もある。インフレーションだ。お金を政府がすればするほど、インフレーションが起きてしまう。

ここでその解決策として、デジタル通貨が登場する。ビットコインイーサリアムといった、暗号通貨だ。特にイーサリアムは非常に大きな支持を集め始めている。

 

でも、ビットコインて、本当にお金なの?多くの人がそう思っていることだろう。

 

経済学教授であり、『The Bitcoin Standerd』という本を書いたSaifedean Ammousさんは著書の中で、お金の特性を3つに分けた。

この3つの指標を元にビットコイン、不換紙幣を比べてみる。

 

1. 価値の保存

この点において大事なのは、そのお金が耐久性があり、偽造が難しく、それでいて作成が簡単であるということだ。

不換紙幣はだいぶ長く出回っているが、偽造されることは多々ある。中央銀行は喜んで通貨を発行している。特にパンデミックに直面した際に経済を上向きにさせるために多くの不換紙幣を刷った。全てのアメリカドルの5分の1は2020年に擦られたものであるほどだ。

 

ビットコインに関しては、コンピューターが動き続ける限りは通貨が消えることはない。偽造は非常に難しい。さらなる通貨を発行するという部分に関しては、超高性能のグラフィックカードと安い電力がない限りマイニングが難しいので簡単ではない。しかし価格の上下が激しい現在、ビットコインを優れた価値の保存の手段と呼べるかはまだ定かではない。

 

続いて

2. 交換の媒体

不換紙幣に関しては、この点ではそれなりに優れている。しかし、送金が高くて遅い。別の通貨と交換する際にはコストが高い上に効率が良くない。

 

ビットコインに関してはこの点では不換紙幣より優れている。早くて、取引の際にかかるコストは低い。少量の金額でも取引が可能だ。20セントという少額から取引が可能だ。

 

最後が

3. 価値尺度

この点でのキーポイントは、そのお金が代替可能で、容易に数えることができ、広く受け入れられているかだ。

 

ここでは不換紙幣の方が優れている。代替可能であるし、数えるのも簡単だ。他国の通貨を除けば、広く受け入れられている。

 

ビットコインに関しては、代替可能であるし、数えることもできる、しかし広く受け入れられているかというとまだである。しかし、それも急速に変化している。

 

興味深いことに、世界的には1000ドル分のビットコイン方が政府の国債や、不動産、さらには金よりも欲しいと言われ始めている。

 

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お金には様々な形がある。あるお金は他の形のお金よりも優れているのかもしれない。

 

ビットコインは言ってみれば街の子供のようなものだ。今うねりを起こし始めている。その反面、規制や、マイニングが消費する電力による環境への負荷の問題などの問題にも直面している。ある国では環境問題を深刻に捉えているのに他の国ではあくせくマイニングをしていると思ったらどう感じるだろうか?

 

ビットコインが繁栄するにせよしないにせよ、次の10年間で私たちの富への概念は根本的に覆されるであろう。

 

たまにはこのようにしてお金とは一体何なのかを考えることも大切だ。なぜならもしあなたが貯蓄したり、現在の手に負えない経済の現実から自分自身を守りたいのであれば、そもそもお金とはなんなのかについて根本から知る必要があるからだ。

 



 

ブロックチェーンの教室 2話 暗号通貨とは何か

暗号通貨と聞くと馴染みはあるでしょうか?このブログを見ているあなたはきっとブロックチェーンや暗号通貨という言葉を聞いてワクワクしたことがあるのではないでしょうか?ブロックチェーンや暗号通貨が絶対に来る!と思ってこれまでに友達にそう伝えたことがあるかもしれませんね。しかし伝えられた側はきっと信じてくれなかったり暗号通貨は怪しいと懐疑的に思っていませんでしたか?そして、きっとみんなあなたにこう聞いたのではないでしょうか?暗号通貨ってそもそも何??と。そしてあなたは今ブロックチェーン界隈で流行っているこの言葉で暗号通貨を説明しました。『非中央集権(Decentralization)通貨だよ!』とか『コンセンサスアルゴリズムで、、、』とか。するとほとんどの人はあなたのことを騙されている人か、何言ってんだ、、という表情を浮かべて、相手にしなかった。なんて経験はありませんか?

今回のブログでは暗号通貨とは何か?について触れていこうと思います!

 

まず、暗号通貨とは何かを考える前に、そもそも通貨とは何なのかを知っておくと良いでしょう。そのためには是非一つ前のブログを読んで見てください。代表的な通貨の性質を3つおさらいしておくと、

・価値の保存・交換の媒体・代表通貨でしたね。

 

実際、学術的にはお金と通貨のコンセプトは少し異なっています。お金とはコンセプトであって、形のないものであり、それに対して通貨は実際に日々支払いに使うお札だったり、硬貨などの物質そのもののことを表します。

 

通貨とは交換の媒体のことです。良い通貨は多くの人に受け入れられて既存のシステムの中で使われています。他にも通貨には分けることができる、丈夫である、本物であることが証明できる、代替可能である、持ち運びができる、インフレーションしない、偽造するの難しいというこれらの性質が備わっていることが理想とされています。

 

では、米ドル、英ポンド、ユーロ、日本円などの通貨にはどれだけこれらの性質が備わっているでしょうか?実際には、私たちは現在流通している通貨を長年使っていることもあって、現在の通貨に備わっている、欠点を受け入れることが当たり前になってきました。ではその欠点とは何でしょうか??何世紀にも渡って窃盗にあったり、偽造されてしまうという欠点を通貨は抱えてきましたが、このパンデミックの中で明らかになった最も大きな問題点は、インフレーションすることでしょう。

 

それだけではありません、現在の通貨は使うにあたって様々なコストが生じてしまいます。銀行手数料や、クレジットカード会社の手数料、通貨間の両替手数料などですね。空港での両替レートは特に非常に高く設定されているので決して空港で両替はしないようにしましょう。

 

つまり安全で、インフレーションしない、コストがかからないという理想的な通貨がまだ存在していないのです。興味深いことに、実はこれらの要素を満たしている通貨はすでにたくさんあります。しかしそれらはすべて、最も重要な、すべての人に受け入れられている交換の媒体であるという条件を満たせていないのです。

 

そして、その条件を徐々に満たしつつあるのが、ビットコインです。一度ビットコインが広く受け入れられれば、それに続いてさらに多くの優れた通貨が、広まっていくことと思われます。

 

現在代表的な通貨が180個あるのに対して、暗号通貨は8000個もあります。(2021年5月時点)その内の多くが既に機能していなかったり、ジョーク目的で作られたミームコインというものです。最も有名なミームコインはドージコインというコインで、その時価は300億円相当にも登ります。しかし正当性のあるまともな数限られた暗号通貨の中には、テクノロジー、哲学、ガバナンスのレベルにおいてミームコインとは比べ物にならない違いがあります。それらの暗号通貨はもともと今ある通貨の代わりに取って代わろうとは思っていません。ですがそれらはすべてお金に必要な先ほどあげた要素を満たしているのです。

 

まずは暗号通貨の定義から見ていきましょう。『暗号通貨とはデジタルまたは仮想の通貨であり、クリプトグラフィという、偽造や、ダブルスペンド(デジタル上の通貨を二度に渡って使ったり、複製されてしまうというデジタル通貨における問題点)をほとんど不可能にするテクノロジーによって安全が保障されている』

 

どのようにして機能するのでしょうか?レッジャー(台帳)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?レッジャーとは簡単にいうと。お金の流れを記録したバランスシートのことで、通常一人の個人によって、安全なところに保管されています。もしそのレッジャー上に、ある通貨で行われた全ての取引が全部記録されていて、そのレッジャーが一つではなく、何百、何千という無数の瓜二つのコピーとして存在していたらどうでしょうか。そしてそれらのレッジャーが公に誰もがどこにいても見ることができます。全ての新しい取引は記録される前にそのレッジャー全てにに承認されなければなりません。

 

この仕組みをDistributed Ledger(ディストリビューテッドレッヂャー)と言い、全ての暗号通貨を実現する基本的なインフラになります。

想像して見てください、あなたがもし、面白い猫の画像をネット上で見つけて友達にシェアしたいと思ったら、それをコピーして送るでしょう。デジタルファイルはコピーするのがとても簡単です。これがデジタル通貨だったとして、もしあなたが100ドルを手にして、それをコピーして二人以上の誰かに送れるとなったら、その通貨が成り立ちません。これをダブルスペンド問題と言います。デジタルテクノロジーはその空間の中の全てが自由にいきたいところに移動することを可能にしました。なのでこのダブルスペンド問題を解決するのは津波を爪楊枝で止めようとするほど難しかったのです。しかし、サトシナカモトという人物がビットコインの草案書でそれを可能にしました。このことが、デジタル通貨であるビットコインを正当なものにする大事な事実なのです。

 

ビットコインにはタイムスタンプサーバーという機能が備わっています。今となってはよく耳にする言葉になりましたが、それ自体本来とても重要なものです。サトシナカモトのイノベーションが起こる前までは、ダブルスペンド問題は、デジタル通貨にとって、大きな大きな問題で、解決がなされてきませんでした。

それまでは単純に第三者機関なしに、ある人物があるデジタル上のお金を複製して二度以上に渡って使っているということを、証明することが不可能だったのです。ネット上での支払いに関するテクノロジーやサービスは進歩してきましたが、クレジットカード会社や、政府、銀行といった信頼の置ける第三者機関の存在がこれまでは必要不可欠でした。でも、これからは必要なくなるのです。

 

暗号通貨は一般的には中央権力によって発行されたものではありません。運営は通貨を無数のマイニングしているコンピューターやノードというその通貨を利用しているコンピューター達によって行われます。

 

では、デジタル通貨の利点はどんなものがあるか?

・デジタル通貨は政府の介入や、恣意的な操作に対しての耐性がある。

・コストが低い。利益を上げなければならない中間存在を必要としないため、

・あなたの資金を管理するために銀行という存在が必要ではない。あなたの資金のコントロールはあなたの手に。

・国際間であっても支払いが早く、コストが低い

・ある1単位の通貨を二度に渡って使うことができない。(ダブルスペンド問題の解決、)

・ほとんどの暗号通貨は透明性が高い。ブロックチェーンの技術によって、全ての取引は公に見ることができる。

・インフレーションへの耐性がある。ビットコインの場合において言えば、発行に2100万枚という上限があり、それ以上のビットコインが存在することができない。

 

しかしそれでも、多くの方は、もしかしたら、暗号通貨を少し怖いと思うことでしょう。なぜでしょうか?

 

ジョンオリバーという方の引用をさせて頂くと:暗号通貨はまさに多くの人がお金に関しての多くの人が知らない部分と、コンピューターに対しての知らない部分が結びついたようなものである。と言います。知らないことだらけなのです。

しかし、正直にいうと、暗号通貨を利用するために、お金に関しての難しい部分や、コンピューターの深い知識は必要ないのです。まさに多くの人がクレジットカードで支払いをしようとした時に、その裏側で、VISAのシステムがどうなって、どう決済が行われているのかを知る必要がないのと同じことですね。

 

それでもきっと、安全性に関して不安がつきまとうでしょう。実際に暗号通貨は発達途上であり、ハッキングなども起こりうるでしょう。

個人が管理する暗号通貨のウォレットにはヒューマンエラーがつきものですし、暗号通貨市場の値動きの激しさはとんでもない状態です。しかし、ステーブルコインという通貨の登場や、簡単で、セキュリティの高いウォレットの開発によって、徐々に一般の方々にとっても、より簡単に扱えるようになりつつあります。

 

もちろん、現在の通貨が絶滅する、とまでいう必要はありません。それに、暗号通貨はパンデミックによってその進歩が加速し始めたばかりの若いテクノロジーです。私自身、現金を使うことがほとんどなくなってきました。もうすでにオンライン上だけではなく、普段の生活でも、デジタル支払いが主流になってきました。

 

もしも現在のように通貨を擦り続ける中央銀行によって、通貨の価値が下がったらどうなるでしょうか。今のタイミングは、お金に関して違う角度から考えてみる良い機会かもしれません。恐れる必要はありません。賢くなりましょう。もうあなたは今日完璧な答えを知りましたね。

『暗号通貨とはデジタルまたは仮想の通貨であり、クリプトグラフィという、偽造や、ダブルスペンドほぼ不可能にするテクノロジーによって安全が保障されている』